本格的な医師 転職
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日本経済があくまで優位性を保つためには、モノ作りのベースを日本はしばらく崩すわけにはいかない。
新しい人材を育てるためには、時聞がかかる。
企業淘汰の時代が始まったところが急激な円高や、貿易摩擦の激化で、もう日本はいやおうなく工業化社会から脱工業化社会へ突き進んでいかざるをえない。
産業構造のドラスチックな転換は避けられそうもない。
ともあれ日本社会が最適工業社会だけに、かえって経済のソフト化がむずかしい面がある。
それがわかっているから、ニュービジネスのリーダーの動きを見てもわかるように、テンポラリー・センターのNさんあたりでもそうだが、たいてい日本ではまだそこまでいっていないから、アメリカへ行ってニュービジネスのネタを取り寄せてくる。
それとだいたいニュービジネスで成功しているリーダーは、大学の落ちこぼれが多い。
いまの落ちこぼれやドロップアウトは、昔のように、貧しいから大学へ行けなかったとか、学力が不足したというのではない。
学校でやっている画一教育に彼らの強い個性が適応できなかったと見るべきなのである。
ということは、日本の東大を頂点とする人材養成は、モノづくりには向いているが、ソフトには向いていない。
まだ日本はその変化に対応できていない。
対応できない聞は、重厚長大型企業が中心になっていかざるを得ないが、現実はもうソフト化・サービス化へ入っている。
四大証券の利益が財テクやらのブームで製造業の利益に比べて圧倒的に大きい。
現実はいやおうなく進んでいる。
日本経済はいま非常に危険な運命の曲り角にきている。
アメリカがおかしくなった、ひっくり返りそうだという意見が圧倒的だが、日本の方が先にひっくり返るのじゃないかと見るむきも一部にはある。
アメリカに貸しつけた巨額のお金は危険性がないことはない。
私はそこまでいう気はないが、ただ日本株式会社がほんとうに強いか弱いかという結論は、むしろこれからの五年、十年で出てくるだろうと思う。
私が意外に弱い面もあるというのは、戦略の面ですでに部分破綻したとみるからである。
新しいパラダイムがつくれるかどうかに、日本の産業界の将来がかかっている。
それができない限り、日本株式会社は黒字倒産していくことにもなりかねないのだ。
おそらく二十一世紀までにいまの上場会社で、つぶれそうなところが相当ある。
もちろん優秀企業は残り、さらに強くなる。
しかし高度成長期のように、みんな横並びでは残れないので、ひっくり返っていく企業も一方では増えていくであろう。
造船、鉄鋼が斜陽化したのはかならずしも円高やNICS諸国の追い上げによるものではなく、本質的にはソフト化・サービス化の時代にいやおうなく突入してしまったからである。
これからは企業格差の時代から企業淘汰の時代へ進んでいく。
この産業界のドラスチックな変化を他人事のようにぼんやり眺めているサラリーマンは確実に競争から取り残されていくであろう。
資産どころか紙きれ同然になってしま給料も休みも多い会社が生き残る日本企業はまだ儲かっているところで日本の企業は、円高不況で苦しい苦しいといいながら、その実まだ儲かっているところが結構ある。
財テクや土地投機に走ったり、アメリカで国債・株式・土地をどんどん買っている。
なぜこれだけ日本の企業が儲かっているかといえば、高度成長期からオイルショックにかけて貯めこんできた、その資産・資金力が想像以上に大きいからである。
労働組合も賃上げはサボってきている。
だから強いだけであって、実際、本業だけで儲かっているところは少ない。
過去の遺産を食いつぶしている。
べつにこれを非難しているのではない。
企業というものはやはり資金力というものが大事である。
これは国でも同じことである。
まだ日本株式会社のそういう余力のある聞は、国はむしろむだな部分は残しておかねばならない。
いずれそういう余力のない時代がくるのだから。
何度もいうように、企業はこれからますます生産性を上けるために、むだなところを削っていくだろうから、国の方は逆に、農村でも、国鉄でも、市役所でも、官庁でも、過度の合理化に走らず、一見むだでも残しておけるところは残しておかなければいけない。
行革がスタートしたときといまとは状況が違うのである。
戦略というのは、柔軟性が必要である。
戦略、戦術というのは状況に応じて立てていくものである。
だからかりに行革の理念が正しいからといって、企業と同じようにむだをみんな節約しようと走り出した傾向は非常に危ない。
状況は変わっているのである。
企業でも、やはりAを見てもわかるように、ごくつぶし、という分野がいまメシを食わしてくれている。
昭和三十年代に繊維がいちばん儲かるからと繊維ばかりに力を注いだ企業はひっくり返っている。
本業に余力のある聞にごくつぶしの分野をどんどん育てられた企業は強い。
企業というものは「未来。
のために何をやるか」というのは学者・評論家の意見にすぎない。
こんなものは企業にはあり得ない。
「いま現にやっていることが未来」なのである。
それを勘違いしている企業が多い。
むだをやっていないとだめなのである。
明日への挑戦部分があるからこそ企業は未来に向けて成長していくのである。
新薬を見てもそうである。
五年前、十年前から努力して開発してきた薬が、新薬として日の目を見るのである。
多角化に成功したAやOセメントにもそれがいえる。
繊維の全盛時代、セメントの全盛時代に新しい事業で打たれて、むだづかいをして、どんどんやってきたから、今日のAがありOセメントがある。
大企業がよく失敗するのは、本業がどうにもならなくなってから企業を多角化しようと考えるからである。
目立造船の失敗はそこにある。
オイルショックのときに、M重工は造船の時代は終わったかもしれないという危機感をもって、航空部門、エンジニア部門を必死になって育ててきた。
それがいま実っている。
ところが他の造船会社、目立造船でもM造船でも、やっといまから育てようとしている。
こんな虫のいい話はない。
企業は、いま何をやっているかが未来である。
現在の中に未来がある。
いまやっている部分の中に未来はあるのである。
あまり効率の良すぎる会社がかえってもろいという逆説は、そこにある。
サラリーマンでもこれは同じことがいえる。
効率と要領のよすぎるサラリーマンは、かえって限界がある。
遊びもし、よけいな勉強もし、会社以外のいろいろな人間関係をもつことはむだかもしれない。
しかし、それをやっている人がそれによって伸びる。
「遊びは真面目の活性化」というのもそういうことである。
真面目の上に真面目を重ねていったらその人は、勤勉な怠慢になる。
懸命に頑張れば、けっして怠慢にならないというのはフィクションにすぎない。
本人がそう思いたいだけである。
同じことを懸命にやっていても進歩はない。
発想を変えていく、新しい知恵を生み出すことが大事なのである。
努力と成果が一致しない時代ましていまは努力と成果が一致しない時代である。
高度成長期は、会社というのは決まりきったモノをつくれば儲かった。
販売に馬力をかければ売れた時代であった。
いまはいかにいいモノをつくるかが勝負である。
努力と成果は一致しない。
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